会長あいさつ

化学および化学技術関連学術団体の連合体としての基盤強化を目指して(平成28・29年度会長就任に際して) 会長 中尾真一

会長 中尾真一

過6月28日、平成27年度総会後の理事会にて、平成26・27年に続き平成28・29年度会長に選任されました。

本連合の今後のより一層の展開をはかるために、平成26年度のスタートに合わせて定款を変更し、その目的を「我が国の化学および化学技術関連学術団体の連合体として、化学と化学技術の振興を通して社会に貢献すること」としました。こういった活動を活性化するためには、まずは会員学協会の現状、課題等を会員が相互によく理解し、共有していることが重要と考え、前期では新たに会員学協会の事務局長会議を開催し、全会員の現状、問題点、将来構想等を相互に理解することができました。

その結果明らかになったことは、どの会員も会員数の減少が最大の課題で、そのため学協会の運営が厳しくなっているということでした。学協会の会員減少は化学系に限ったことではありません。人数的に多数を占めていた団塊世代の会員の引退、新会員となるべき若手の少子化は、いずれの分野でも必然的に学協会の会員減につながります。このような状況下で、学協会をいかに運営していくかは大きな課題です。

近年、学問分野は細分化が進み、専門ごとの中小規模の学会が多数存在します。化学系も例外ではなく、化学連合の会員の中にも専門分野に特化したそのような学協会はたくさんあります。学問的には、その分野の専門家が集まり、深い議論ができるそのような学協会の存在は望ましいと考えますが、学協会運営は大変です。事務局長の皆さんのご苦労は並大抵のものではありません。また、若手の研究者がボランティアとして(実際には断りづらい依頼として)運営にかかわり、多くの時間を費やしています。若手には研究に没頭する環境を与えるべきでしょう。

日本化学連合定款の目的の項にありますように、「情報発信、社会の啓発、政策提言」といった大きな活動と同時に、足元の強化として会員学協会の健全な運営体制の確立にも連合として努力することが大切だと考えています。特に中小規模の会員の事務局の運営の一部を代行するようなことを考えないといけない時期に来ていると思われます。各学協会の運営には共通するところも多いので、この部分を化学連合に集約することで効率化が図れます。今期は、会長・事務局長会議を通して会員学協会とよく意見交換したうえで、可能なところからこのような取り組みを始めたいと考えています。

化学連合は発足から9年、一般社団法人に移行後6年が経ちました。広く化学および化学技術関連学術団体の連合体として体制を整えてきていると理解しています。一方、少ない予算での本連合の運営に限界を痛感していますが、メンバー学協会の独自の発展を前提としつつ、化学連合本体も含めた会員学協会の運営基盤の強化に努め、連合体としての企画、活動を積極的に、また粘り強く実行したいと改めて決意しています。会員学協会の情報発信、共有のためのホームページの強化、化学連合主催のシンポジウムの活性化、会員学協会とのシンポジウムの共催、化学コミュニケーション賞の認知度の向上など、まずは取り組めるところから始めます。本連合へのご理解とご支援、また連合組織そのものの認知と幅広い紹介をお願いする次第です。